1:通りすがりのアノニマス
ニートや無職、ひきこもりが就職出来ない理由は「行政の運用ルール」のせい?
ニートから抜け出せないなど就職が難しい状況に陥(おちい)った若者を支援するために、厚生労働省が2007年からスタートさせた「地域若者サポートステーション事業(サポステ)」。 だが、その実績を見ると、残念ながら結果が出ているとは言い難い。なぜ成果を挙げられないのか?その原因のひとつは、厚労省がサポステの委託事業者に課している“運用ルール”にある。
まず、サポステでは、15歳から39歳までの「就職困難な状況にある若者」に、 キャリアコンサルタントによる相談や、コミュニケーションスキルを向上させるためのトレーニング、職場体験などを受けさせる。問題はその先だ。関西地方でサポステを運営するNPO法人の代表者A氏がこうボヤく。
「サポステで訓練を受けた若者は、最終的には『ハローワークにリファー(誘導)しなさい』と厚労省から指示を受けています。しかし、ハローワークは、基本的には自立した求職者に仕事を斡旋する機関。そこに、ニート歴があり、職歴にブランクがある若者を誘導したところで、みんな書類選考で振るい落とされてしまうんです。
そうなると、彼らはサポステに通ってせっかく自信を取り戻したのに、『やっぱり自分は何をやってもダメなんだ』という思いに駆られ、いつまでたってもニートから抜け出せない状況に追い込まれてしまうのです」
つまり、職業紹介という“ニート支援のゴール”の段階で、そのルートが“ハローワーク一本”に絞られていることが、サポステの就職実績が低迷している原因なのだ。
はたして厚労省は、ニートの就職難を本気で改善しようと思っているのだろうか。
http://www.newsch.info/archives/7868246.html