1: 記憶たどり。 ★
2018年4月1日は日曜日だった。多くの企業が2日に入社式を開く中、働き方のコンサルティングを手がける
「クロスリバー」CEOで、3つの大学で講師をする越川慎司さんの元に教え子3人から、Facebookメッセンジャーが送られてきた。
いずれも別々の大手企業にその日に入社した教え子たちだった。

「社長の話にがっかりした」「労組の組合にハンコを押す儀式が、一生会社にいる恐怖感を感じた」

3人に共通したのは「もう辞めたい」という意思。入社初日から大手企業の体質に違和感を覚えていた。
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■メガバンクをすでに退社

越川さんによると、3人は中堅私立大学出身の男女。メガバンクに就職した男性は起業準備のために、すでに退社したという。
あと2人は、大手IT企業と大手コンビニに入社し、5月中旬現在ではまだ会社に留まっている。

3人の退職検討理由として、こう伝えてきたという。

「同期は全員リクルートスーツで社長、人事もダークスーツ。こういう会社で個性が出せるか」「人間ロボットが働くことに疑問を感じた」
「大企業の社長の話というと、ビルゲイツや孫正義のようなプレゼンを想像するが、紙を出して読んでという社長の姿にがっかりした」

まず入社式への違和感。そして、

「労働組合の説明会があり、給与から組合費が天引きされる。加入のためにハンコを押す儀式があり、一生会社にいる恐怖感があった」

(会社の)慣習への抵抗感があった。

中には「内定を得てから入社までの1年間で心情が変化した」という“内定ギャップ”を吐露した人もいた。

越川さんは、すぐに3人とスカイプで会話し、こう伝えた。

「目的を実現する手段として職場を考えた方がいい。目的とそのための手段の具体策がわかっているなら、早く辞めてもいいと思う」

同時に、「企業は新入社員を一生で3億円の投資をすると考えて、採用している。初日に辞めるという態度は失礼になる」と指摘もした。

■4月辞め新社会人向けのサービスも

売り手市場で企業による学生の争奪戦が過熱し、就活は短期決戦になっている。

「(短期間でとにかく)内定をもらう競争の中で、(とりあえず)内定をもらって自己満足したり、辞めてもどこにでも入れると勘違いをしたり
している場合がある。4月に辞めた新社会人を狙うエージェントや企業も出始めている」(越川さん)

結果、超早期離職が生まれている可能性がある。

日本の場合、入社まで配属や職種がわからないという配属リスクもある。

「人事部も売り手市場なので、学生に職場の良い面だけを言い続けているかもしれない。すぐに内定が出ると、学生は希望の職種につくまで、
我慢するエネルギーが湧かないのでは」(越川さん)

学生と企業のギャップを埋めるため、企業側は内定後の職場体験や先輩社員との交流を企画したり、内定から入社までの“待ち時間”を
短縮するため通年採用を始めたり、試行錯誤している。

■内定を得てから落ち着いて考える

まさに「とりあえず内定競争」を象徴するような話も聞いた。

今まさに就活中の大学院生の女性(25)は、「(6月ごろに)内定が出たら、ほかの業界を見たり、本当に何がしたいか考えたりしようかな」と話す。
何がしたいか考えてから就活するという発想とは真逆だ。

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https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180521-00010000-binsider-bus_all 

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