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2018年5月18日 朝刊

 JR東日本は、車内の様子を常に撮影、録画するカメラを付けた山手線の新型車両を、十九日から運行する。順次増やし、東京五輪・パラリンピック直前の二〇二〇年春ごろ、全五十編成(五百五十両)への設置を完了する。全車両へのカメラ設置に対し、利用者や専門家からは、歓迎や懸念の声が上がっている。

 十七日には、カメラ付きの車両を東京総合車両センター(東京都品川区)で報道関係者に公開した。JR東の照井英之運輸車両部担当部長は設置の目的を「犯罪や迷惑行為、テロの未然防止」と説明。痴漢対策として、一〇年に埼京線の一部車両にカメラを設け「一定の抑止効果があった」と述べた。

 山手線にはドアの上に片側に二台ずつ、一両に計四台取り付ける。カメラカバーの脇に「作動中」のステッカーを貼る。映像は録画され、一週間で自動的に上書きされる。映像を扱う社員を限定し、警察から請求があった場合、法にのっとって映像を提供する。
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 カメラ設置について、新宿駅前にいた渋谷区の主婦原島美津恵さん(67)は「安心感があっていい。娘が犯罪の被害に遭わないか心配なので」と受け止めた。川崎市の会社員中戸隆宏さん(23)は「満員電車に付けても死角ばかり。意味があるのか」と疑問を呈した。

 日本弁護士連合会の情報問題対策委員を務める清水勉弁護士は「乗客はプライバシー侵害を強制され、監視カメラ業界に天下りする警察の利権がはびこる」と指摘。「満員電車では、カメラよりも周りの人が頼り。事件があってもカメラ任せになり、助け合いの考え方が後退する」との懸念を示した。

 山手線は新宿、渋谷、東京などを結び「首都圏を代表する路線」(JR東)。通勤や通学、観光など多様な目的の乗客が利用する。一六年度には最も混雑する原宿-代々木間で、一日に平均約七十九万七千人が利用した。 (増井のぞみ)

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